「見返し」を認識したことはありますか?

 

「見返し」を認識したことはありますか?

見返し(みかえし)とは

 

見返しの場所

 

見返しの場所

 

ここの部分のことです。

裏側(内側)についているパーツで

表地をギリギリ端までにすると

時々裏地がチラリひょっこり出てくるのを防ぎ

生地の端がしっかりカッチリする効果があります。

 

ジャケットにも

スカートにも

コートにもあります。

 

基本的には丁寧上質な手間暇+生地のかかる仕様ですが

なんでも付ければ上質いいってものではないのが

お洋服の仕立てです。

 

 

なんでも、その時、その目的、その生地、その人

に合わせて仕様が考えられているお洋服が

良いお洋服の仕立てです。

 

 

 

プライベートローブでは

見返しは基本的には付けてきます。

 

 

では付けない方がいい時とはどんな時でしょう?

 ①透ける素材の時

 ②涼しく軽く着たい時

 です。

 

 

①透ける素材の時】

スケスケじゃなくとも、なんとなく見返しがある部分と無い部分が着た時に

分かってしまうような白い生地や淡い生地、透け感を活かした生地などは

付けない方が綺麗ですね。

 

淡い色の生地の時の見返し

 透ける素材の時の見返し

 

この場合は、裏地をギリギリまで付けて、ひっくり返ってこないように

且つ、表地にひびかないように留めていきます。

 

透ける素材の時の見返し

ここでも見えない、誰にも気づかれない一手間をかけるんです。

これが美しく着用できるか大きな差になっていきます。

透ける素材の時の見返し

 

 

 

 

 【②涼しく軽く着たい時】

 

見返しは表生地が二重になるので、一重にくらべて当然厚く硬くなります。

東京の真夏は辛いですね。もうほんとに1gでも軽くしたいと思うくらい暑いですね。

特に首回り顔まわりにくる布というのは暑さを感じさせます。

そういう場合はバイアス始末かパイピング始末で仕上げます。

 

 

こんなちょっとの生地がそんなに違うわけないと思いますよね。

これが全然違うのです。

 

 

バイアス始末は共布でバイアステープを作り、手まつりで仕上げていきます。

既成のバイヤステープを使うのが楽ですが、これも縁ギリギリなので

チラリと見えた時に共布で合った方が美しいので手作りします。

 

涼しく軽く着たい時の見返し

涼しく軽く着たい時の見返し

 

 

パイピンク始末は共布で(アクセントとして加えたい場合は別布でも)縁を包んでいきます。

 

涼しく軽く着たい時の見返し

 

涼しく軽く着たい時の見返し

 

 

 

 

 

 例外編

 

見返しを付けた方がいいけど、共布では無い方がいい場合というのがあります。

例えば

・厚すぎる素材

 ⇨コートなどは良いのですが、ワンピースであまりにも厚手のものは

  見返しを無くすか、ハリのあるツルっとした生地で見返しを付けていきます。

・素肌に当たるとチクチクする素材

 ⇨内側につけるので肌に当たると気持ちの良く無い素材は見返しには使いません。

  この場合もハリのあるツルっとした生地で見返しを付けていきます。

 

・柔らかすぎる素材

 ⇨ネックラインがヨレヨレしているお洋服はどんなに頑張っても格好良くならないですね。(そもそもそんな生地でネックラインきちっとした服は作りませんが)もう少しだけお力添えが欲しい場合は、ハリのあるツルっとした生地で見返しを付けていきます。

 

 表地共布が適さない場合の見返し

 

 

 

 

「見返し(みかえし)」

誰にも注目されることなく

お洋服を支えてる見返し君。

意外と重要パーツなので、いろんな服の見返しを

見てみてください🎶

 

 

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